「賃貸物件の防犯対策を強化したい」「防犯カメラを設置する場合、どこまで管理すればよいのかわからない」と悩んでいませんか?
防犯カメラは、不審者や犯罪行為への対策だけでなく、物件の防犯設備を目に見える形で示せる設備です。
一方で、設置場所や撮影範囲によっては、ご入居者様のプライバシーに配慮する必要があります。撮影した映像をどのように保管・閲覧するのかも、事前に決めておかなければなりません。
防犯カメラは「設置すること」だけでなく、「設置目的・撮影範囲・映像の管理方法」まで含めて検討することが大切です。
この記事では、賃貸物件に防犯カメラを設置するメリット、注意点、カメラの種類、おすすめの設置場所について、管理会社様・オーナー様向けに解説します。
【重要】賃貸物件に防犯カメラを設置するメリット
賃貸物件へ防犯カメラを設置するには、機器や施工、維持管理などの費用がかかります。
そのため、「防犯対策として何を改善したいのか」を整理したうえで導入を検討しましょう。主なメリットは次の3つです。
①ご入居者様の安心につながる
防犯カメラが設置されていることは、物件の防犯設備を目に見える形で伝える材料になります。
内見時や物件比較の際に防犯設備を確認するご入居者様に対しても、「共用部に防犯カメラを設置している」と具体的に案内できます。
同じような立地や間取りの物件と比較された際、防犯設備の有無を物件選びの判断材料として伝えられる点はメリットです。
②犯罪行為の抑止効果が期待できる
防犯カメラを目につく場所に設置し、「防犯カメラ作動中」などの表示を行うことで、物件が記録されていることを知らせられます。
カメラの存在を認識してもらうことは、不審な行動や犯罪行為を思いとどまらせるための対策の一つです。
③犯罪・トラブル発生時の状況確認に活用できる
防犯カメラは、犯罪や迷惑行為などが発生した際の状況確認にも活用できます。
発生した時間帯や人物の出入り、周囲の状況などが記録されていれば、管理会社様が事実関係を確認する際や、警察などの関係機関へ相談する際の手がかりになります。
賃貸物件に防犯カメラを設置する際の注意点
先に述べた通り、防犯カメラには、ご入居者様の安心につなげることや犯罪行為の抑止、トラブル発生時の状況確認など、さまざまなメリットがあります。
一方で、防犯カメラを効果的かつ適切に運用するためには、設置場所や撮影範囲、ご入居者様への周知、録画映像の管理方法などについて事前に決めておくことが重要です。
ここでは、賃貸物件へ防犯カメラを設置する際に確認しておきたい注意点を解説します。
導入前に確認しておきたいポイントは次の5つです。
①防犯カメラは目的に合わせて設置する
まず、「何を確認・防止するために設置するのか」を決めましょう。
たとえば、外部からの出入りを確認したい場合はエントランス、自転車や車へのいたずら・盗難対策なら駐輪場や駐車場というように、目的によって適した設置場所は異なります。
同時に、ご入居者様のプライバシーにも配慮してください。住戸内や私生活を必要以上に撮影する位置ではなく、防犯目的を達成するために必要な範囲へ撮影範囲を絞ることがポイントです。
設置前に図面や現地で画角を確認しておくと、施工後の撮影範囲の修正を減らせます。
②「防犯カメラ作動中」のステッカーを設置
防犯カメラを設置する際は、ご入居者様や来訪者がカメラの存在を認識できる状態にしておきましょう。
個人情報保護委員会では、カメラによって個人情報が取得されていることを本人が容易に認識できない場合、「防犯カメラ作動中」などの掲示によって認識できるようにする措置が必要とされています。
現在の記事で引用している個人情報保護法には、次の規定があります。
個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。
引用:e-Gov法令検索『個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)』
なお、防犯目的であることがカメラの設置状況から明らかな場合など、利用目的の通知・公表が不要と考えられるケースもあります。
「ステッカーを貼ればすべての対応が完了する」というものではありません。撮影目的・撮影範囲・映像管理まで含めて運用を決めておきましょう。
③入居者へ防犯カメラの設置を連絡
入居中の物件へ新しく防犯カメラを設置する場合は、設置前にご入居者様へ案内しておくと、突然カメラが設置されたことによる不安や問い合わせを減らしやすくなります。
案内する内容は、次のように整理するとわかりやすくなります。
- 防犯カメラを設置する目的
- 設置場所・撮影範囲・設置予定日
- 映像の記録方法・保存期間
- 映像の管理方法・問い合わせ窓口
特に「どこまで映るのか」「誰が映像を見るのか」は、ご入居者様が気にしやすいポイントです。
カメラを設置する事実だけでなく、設置目的と映像の取り扱いまで合わせて案内すると、管理会社様側の運用方針も明確になります。
④撮影映像の取り扱いは厳重にする
防犯カメラで人物を識別できる映像を取得する場合、個人情報に該当することがあります。映像の漏えいや目的外利用を防ぐため、管理ルールを決めておきましょう。
個人情報保護法では、次のように規定されています。
個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。
引用:e-Gov法令検索『個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)』
防犯カメラ映像の保存期間について、法律で一律の日数が決められているわけではありません。利用の必要性を考慮して保存期間を設定し、必要がなくなった映像は適切に消去します。
また、閲覧できる担当者を限定し、映像を確認・持ち出す場合のルールも決めておきましょう。
「何日保存するか」だけでなく、「誰が・どのような場合に閲覧できるか」まで決めておくことが、実務上のポイントです。
⑤カメラだけでなく周辺機器も用意する
防犯カメラを導入する際は、カメラ本体だけでなく、映像を保存・確認するための機器も確認しましょう。
録画データを保存する記録媒体や、映像を確認するモニターなどが代表的です。インターネット経由でスマートフォンやパソコンから映像を確認できる機種もあります。
ただし、機能が多ければよいとは限りません。物件の管理方法や、トラブル発生時に誰が映像を確認するのかによって必要な設備は変わります。
機器を選ぶ際は、「録画できるか」だけでなく、必要なときに管理担当者が映像を確認できる運用になっているかまで確認しましょう。
賃貸物件に防犯カメラを設置するおすすめの場所3選
防犯カメラの設置場所は、「どのようなトラブルを防ぎたい・確認したいのか」から決めます。
代表的な設置候補は次の3ヶ所です。
①エントランス
エントランスは、建物へ出入りする人を確認しやすい場所です。
外部からの出入りを把握したい物件では、設置候補として優先的に検討しやすい場所といえます。防犯カメラが見えることで、ご入居者様にも物件の防犯対策を伝えられます。
設置する際は、出入口を確認できる範囲を確保しながら、必要以上に住戸側を撮影しないよう画角を調整しましょう。
②駐輪場・駐車場
駐輪場や駐車場は、盗難やいたずら、車両への被害などが発生した際に状況確認が必要になりやすい場所です。
死角が多い、道路から出入りしやすい、過去にトラブルがあったといった物件では、防犯カメラの設置を検討するとよいでしょう。
広い駐車場では、1台で全体を撮影しようとするのではなく、出入口や確認したい範囲から設置位置を決めることがポイントです。
③エレベーターホール
エレベーターホールは、共用部を移動する人物や状況を確認しやすい場所です。
エレベーター内部への設置が難しい場合でも、1階のエレベーターホールなど、人の移動が集まりやすい場所を候補にできます。
ただし、住戸の玄関付近まで必要以上に撮影しないよう、設置位置と画角には配慮してください。
防犯カメラとあわせて検討したい対策
物件の防犯やご入居者様の安心を考える際、防犯カメラだけですべての課題を解決することはできません。
物件の構造や想定するトラブルに合わせて、次のような対策も検討しましょう。
①人感センサーライト
人感センサーライトは、人の動きを感知して点灯する設備です。
建物の裏側や1階の共用部など、夜間に暗くなりやすい場所へ設置することで、人が近づいたことを把握しやすくなります。
防犯カメラと組み合わせる場合は、カメラの撮影範囲と照明の位置を合わせて確認しましょう。
②覗き見防止カバー
覗き見防止カバーは、玄関ドアのドアスコープから室内を覗かれることを防ぐための設備です。
ご入居者様自身で取り付ける商品もありますが、物件設備として用意されていれば、内見時にも防犯対策の一つとして案内できます。
③防犯砂利の設置
防犯砂利は、人が踏んだ際に大きな音が出るよう設計された砂利です。
1階住戸の周辺や建物の裏側など、人が近づいても気づきにくい場所への対策として検討できます。人感センサーライトなど、ほかの設備と組み合わせる方法もあります。
④近隣トラブル解決支援サービス
防犯カメラは、不審者や迷惑行為の抑止、トラブル発生時の状況確認に役立ちます。
しかし、録画した映像を確認できても、その後の相談対応や問題解決までを防犯カメラだけで行うことはできません。
騒音や迷惑行為、不法侵入・窃盗、ストーカーなどの近隣トラブルが発生した場合に備えて、相談できる体制もあわせて整えておくことが大切です。
レプリスの「近隣トラブル解決支援サービス」では、元警察官などの専門相談員がご入居者様から状況を伺い、解決に向けたアドバイスや防犯指導を行います。また、トラブルの内容に応じて、行政窓口や専門家、関係機関をご案内することも可能です。
防犯カメラによる「抑止・記録」と、トラブル発生後の「相談・解決支援」を組み合わせることで、ご入居者様が安心して暮らせる環境づくりにつながります。
防犯カメラ導入前に確認したい10のチェックリスト
防犯カメラを導入するか迷っている場合は、まず現在の物件の防犯対策や管理体制を確認してみましょう。
次の項目に当てはまるものがないかチェックしてください。
□ エントランスなど主要な出入口に防犯カメラが設置されていない
□ 駐輪場・駐車場などで盗難やいたずらが発生したことがある
□ ご入居者様から不審者や防犯面について相談を受けたことがある
□ 建物内や敷地内に、夜間暗くなりやすい場所や死角がある
□ 防犯カメラを設置する目的や撮影範囲が明確になっていない
□ 防犯カメラ設置時のご入居者様への周知方法が決まっていない
□ 録画映像の保存期間が決まっていない
□ 録画映像を閲覧できる担当者や閲覧ルールが決まっていない
□ カメラの稼働確認や録画状態を定期的に確認するルールがない
□ 不審者・迷惑行為・近隣トラブルが発生した際の相談窓口が決まっていない
当てはまる項目が多い場合は、防犯カメラの設置だけでなく、撮影範囲・映像管理・ご入居者様への周知など、運用方法も含めて見直してみましょう。
特に、映像の保存期間や閲覧ルールが決まっていない場合は、カメラを設置する前に管理方法を整理しておくことが大切です。
まとめ|防犯カメラと近隣トラブルへの相談体制を整えよう
防犯カメラは、ご入居者様の安心につながるだけでなく、不審者や犯罪・迷惑行為の抑止、トラブル発生時の状況確認にも活用できる設備です。
ただし、防犯カメラを設置するだけですべてのトラブルを防げるわけではありません。設置目的や撮影範囲を明確にし、ご入居者様への周知や録画映像の管理方法まで含めて運用体制を整えることが大切です。
また、騒音や迷惑行為、不法侵入・窃盗、ストーカーなどのトラブルが発生した場合、防犯カメラで状況を記録できても、その後の対応や問題解決までを防犯カメラだけで行うことはできません。
そのため、物件の防犯対策を考える際は、設備を整えるだけでなく、トラブルが発生したときにご入居者様が相談できる体制もあわせて整えておくことが重要です。
レプリスの「近隣トラブル解決支援サービス」では、元警察官などの専門相談員が近隣トラブルについて相談を受け、状況に応じて解決に向けたアドバイスや、行政窓口・専門家・関係機関のご案内を行っています。
騒音や迷惑行為をはじめ、不法侵入・窃盗被害、ストーカー被害などについても相談できるため、防犯カメラによる「抑止・記録」と、トラブル発生後の「相談・解決支援」を組み合わせた対策につながります。
ご入居者様が安心して暮らせる環境づくりを進めたい管理会社様・オーナー様は、防犯カメラなどの設備面だけでなく、近隣トラブルが発生した際のサポート体制についても検討してみてはいかがでしょうか。










