賃貸管理における夜間対応は、これまでのように「担当スタッフが当番制で対応する」という体制だけでは運用しにくくなっています。
働き方改革を背景に、スタッフの労働時間を適切に管理することが求められる一方で、外国籍のご入居者様への多言語対応など、管理会社様に求められる対応は多様化しています。 夜間の問い合わせ件数が多くなくても、営業時間外の連絡に備えて担当者を配置し続けること自体が、スタッフの勤務体制や人員配置に影響する可能性があります。
そのため今、重要なのは、夜間の問い合わせ件数だけを見るのではなく、「誰が・どの時間帯に・どこまで対応しているのか」を確認し、現在の運用体制が自社に合っているかを見直すことです。
この記事では、働き方・多言語対応・夜間当番の運用という3つの視点から、管理会社様が今あらためて夜間対応を見直すべき理由と、体制を検討する際のポイントを解説します。
なぜ今、管理会社で夜間対応の外注が検討されているのか
管理会社様が夜間対応を見直す背景には、単純な問い合わせ件数の問題だけでなく、ご入居者様の多様化やスタッフの労働時間管理など、賃貸管理を取り巻く環境の変化があります。
これまで夜間当番で対応できていた管理会社様でも、外国語での問い合わせや、営業時間外に発生している実際の対応時間まで考えると、従来の運用が現在の管理体制に合っているかを改めて確認する必要があります。
ここでは、特に確認しておきたい「外国籍のご入居者様への多言語対応」と「夜間対応を含めた労働時間の管理」という2つの視点から、夜間対応を取り巻く変化を見ていきます。
外国籍のご入居者様への多言語対応が求められる場面が増えている
賃貸管理では、外国籍のご入居者様からの問い合わせに対応できる体制も考えておく必要があります。
2025年の国勢調査によると、外国人のいる世帯のうち、民営の借家に住む世帯は全国で1,029,456世帯となっています。内訳を見ると、「外国人のみ」の世帯が879,076世帯、「外国人と日本人がいる世帯」が148,767世帯です。
特に夜間に水漏れや鍵、電気・ガス設備などのトラブルが発生した場合、状況や緊急性を電話だけで正確に伝える必要があります。日本語での説明が難しいご入居者様の場合、管理会社様側でも状況確認に時間がかかる可能性があります。
そのため、外国籍のご入居者様がいる物件を管理する場合は、営業時間外でも外国語で相談できる窓口を用意しておくことが、夜間対応を考えるうえで重要です。
レプリスの24時間駆けつけサービスでは、専用フリーダイヤルで24時間365日、19ヶ国語に対応しています。管理会社様だけで外国語対応を抱えるのではなく、夜間の問い合わせにも対応できる窓口を設けることで、外国籍のご入居者様にも相談先を案内しやすい体制を整えられます。
出典:総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計 外国人53-1」
「働き方改革関連法」による労働時間の上限規制
夜間対応を自社スタッフが行う場合は、営業時間外の対応を含めて労働時間を適切に管理する必要があります。
時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です。
臨時的な特別の事情があり、労使が合意した場合でも、年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満、複数月平均80時間以内などの上限が定められています。
これらの上限規制に違反した場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
夜間や休日の対応が一部のスタッフに集中している場合は、単に電話件数を見るだけでなく、実際の対応時間や当番体制まで含めて見直すことが大切です。
夜間対応はどこまで外部に任せられる?業務を切り分ける考え方
夜間対応を外部へ任せる際は、すべての業務を一括して外注するのではなく、「どこまでを外部に任せ、どこからを管理会社様が対応するのか」を業務ごとに整理することが重要です。
夜間の問い合わせ対応には、電話の一次受付、状況確認、緊急性の判断、現場対応、翌営業日への引き継ぎなど、複数の業務があります。
それぞれの業務について、外部へ任せる範囲と管理会社様が対応・判断する範囲をあらかじめ決めておくことで、夜間対応の体制を整理しやすくなります。
ここでは、管理会社様の立場から、夜間対応を4つの業務に分けて考えてみます。
問い合わせの一次受付
夜間にご入居者様から連絡があった場合、最初に必要になるのがトラブルの内容や現在の状況を確認する一次受付です。
水漏れ、鍵、電気・ガス設備など、どのようなトラブルが起きているのか、いつから発生しているのかなどを聞き取ります。
一次受付は、あらかじめ確認する内容や受付方法を決めやすいため、外部へ任せる業務として切り分けやすい部分の一つです。
一方、管理会社様で対応する場合でも、確認項目を統一しておくことで、その後の判断や対応につなげやすくなります。
緊急性の確認と対応方法の振り分け
一次受付の次に必要になるのが、その場で対応する必要があるのか、翌営業日以降の対応でよいのかを判断することです。
例えば、漏水が広がっている場合と、翌営業日に確認できる設備の不具合では、必要となる対応が異なります。
この業務を外部へ任せる場合は、「どのような場合に現場対応へつなぐのか」「どのような場合に管理会社様へ確認するのか」などの基準を事前に決めておくことが重要です。
外部へ任せる判断と管理会社様へ確認を戻す判断の境界を明確にしておくことで、担当者による対応のばらつきも抑えやすくなります。
必要に応じた応急対応・現場対応
緊急性が高く、電話での案内だけでは解決できない場合には、現場での応急対応が必要になることがあります。
水まわりや鍵、電気・ガス設備などは、トラブル内容に応じて現場で状況を確認し、必要な対応を行います。
現場対応まで外部へ任せる場合は、夜間に対応してよい作業の範囲や、管理会社様・オーナー様への確認が必要となる条件を決めておくことが重要です。
設備交換や大規模な修繕など、費用や工事内容の判断が必要なものについては、管理会社様やオーナー様が確認したうえで、翌営業日以降に対応するケースもあります。
対応内容の共有と翌営業日の業務への引き継ぎ
夜間対応の一部を外部へ任せる場合は、どのような内容を管理会社様へ共有してもらうのかについても整理しておく必要があります。
例えば、問い合わせ内容、夜間に行った案内や応急対応、翌営業日以降に確認が必要な事項などです。
一方、夜間対応を管理会社様側で行う場合でも、翌日の担当者へ情報を引き継げるよう、記録する内容や共有方法を決めておくことが大切です。
外部へ任せるか自社で対応するかにかかわらず、夜間に発生した内容を翌営業日の管理業務へつなげられる仕組みを整えておくことがポイントです。
夜間対応を外部へ任せる際に大切なのは、単に電話受付先を変更することではありません。一次受付、緊急性の判断、現場対応、翌営業日への引き継ぎという業務ごとに、外部へ任せる範囲と管理会社様が担う範囲を決めておくことが、無理のない夜間対応体制をつくるポイントです。
夜間対応を見直すべき3つのサイン
夜間対応を外注する必要があるかどうかは、管理戸数や問い合わせ件数だけでは判断できません。
重要なのは、現在の夜間対応がどのような体制で運用され、スタッフにどのような業務が発生しているのかを確認することです。
ここでは、夜間対応の運用を見直すきっかけとなる3つのサインを紹介します。
夜間当番が特定のスタッフに偏っている
少人数で夜間当番を回していたり、経験のあるスタッフに問い合わせ対応が集中していたりする場合は、担当者によって負担の差が生まれやすくなります。
また、担当者の休暇や繁忙期などによって、通常どおりの夜間体制を維持しにくくなることも考えられます。
「誰が夜間対応を担当するか」だけでなく、「営業時間外の業務を社内でどこまで担う必要があるのか」まで見直すことが、安定した管理体制を考えるうえで重要です。
外国語の夜間対応を一部のスタッフに頼っている
外国籍のご入居者様から夜間に連絡があった場合、日本語だけではトラブルの状況を十分に確認できないケースがあります。
日中であれば他のスタッフへ確認したり、翻訳手段を利用したりできても、夜間は対応できる人員が限られる場合があります。
外国語対応ができるスタッフ個人に頼るのではなく、営業時間外でも外国語で相談できる窓口をあらかじめ用意しておくことで、担当者によって対応できる範囲が変わりにくい体制をつくれます。
夜間対応にかかっている時間を把握できていない
夜間対応の負担を確認する際、電話の件数だけを見ていると、実際に発生している業務量を把握できない場合があります。
1件の問い合わせでも、状況の聞き取り、関係先への連絡、折り返し対応、翌営業日への引き継ぎなど、複数の業務が発生することがあります。
そのため、「月に何件電話があるか」だけでなく、「夜間対応にどれくらいの時間を使っているか」まで確認することが大切です。
実際の対応時間を把握しておけば、現在の夜間当番を継続するのか、外部サービスを活用するのかを判断する材料にもなります。
管理会社の夜間対応外注に関するよくある質問
夜間対応の外注を検討する際は、費用だけでなく、対応範囲や緊急時の流れ、自社スタッフに残る業務まで確認することが大切です。
ここでは、管理会社様が導入前に確認しておきたいポイントをQ&A形式で紹介します。
Q1:夜間対応を外注する際、費用はどのくらいかかりますか?
費用は一律ではなく、契約内容や料金プラン、管理戸数などによって異なります。
レプリスでは、管理戸数や希望する運用方法を確認したうえで、費用をご案内しています。
導入を検討する際は、月額費用だけでなく、どこまでの対応が料金に含まれているのかもあわせて確認することが大切です。
Q2:緊急性の高いトラブルにも対応してもらえますか?
はい。水まわりや鍵、電気・ガス設備などの緊急性の高いトラブルにも対応しています。
レプリスの24時間駆けつけサービスでは、対象となるトラブルを24時間365日受け付けています。
電話での案内だけでは解決できない場合には、トラブル内容に応じて現場での対応を行います。
導入時には、サービスの対象となるトラブルや、管理会社様への連絡が必要となるケースなど、対応範囲をあらかじめ確認しておくとスムーズです。
Q3:外国人入居者への対応言語を教えてください。
対応言語は、日本語、英語、中国語(北京語)、韓国語、ベトナム語、インドネシア語、タガログ語、フランス語、タイ語、イタリア語、ドイツ語、マレー語、ロシア語、モンゴル語、スペイン語、ネパール語、ポルトガル語、ミャンマー語、クメール語となります。
専用フリーダイヤルでは、24時間365日、19ヶ国語で対応しています。
Q4:小規模な管理会社でも夜間対応外注はメリットがありますか?
はい。管理戸数が少ない管理会社様でも、夜間対応の負担が大きい場合にはメリットがあります。
特に、少人数で夜間当番を回している場合は、一人あたりの負担が大きくなりやすいため、夜間の問い合わせ受付やトラブル対応を外部へ切り分けることで、スタッフの負担軽減につながります。
一方で、夜間の問い合わせがほとんどない場合などは、自社で対応を続ける方が適しているケースもあります。
そのため、管理戸数だけで判断せず、夜間の問い合わせ件数や当番人数、スタッフが対応している業務内容を確認したうえで検討することが大切です。
夜間当番を前提にしない管理体制へ
ここで重要なのは、現在の夜間当番をそのまま続けることを前提にするのではなく、「誰が、どの時間帯に、どれくらい夜間対応を行っているのか」を一度可視化してみることです。
夜間当番が一部のスタッフに偏っていないか、営業時間外の対応時間を把握できているか、外国籍のご入居者様からの問い合わせにも対応できる体制になっているかなど、現在の運用を確認することで、自社に合った夜間対応の形を検討しやすくなります。
夜間対応の見直しは、単なる電話対応の効率化ではなく、スタッフの勤務体制とご入居者様への対応を両立できる管理体制をつくるための取り組みの一つです。
レプリスでは、水まわり・鍵・電気・ガス設備などの生活トラブルに対応する24時間駆けつけサービスを提供しています。
夜間当番の運用や営業時間外の対応体制を見直したい管理会社様は、現在の管理体制にあわせた導入方法についてご相談ください。










