マンションやアパートのゴミ分別問題は、違反したご入居者様へ注意するだけでは解決しにくいことがあります。
引越し前の地域と分別方法が違っていたり、ゴミ置き場の表示が分かりにくかったりすると、悪意がなくてもルールを間違えてしまうためです。
分別されていないゴミが続けば、回収されずにゴミ置き場へ残り、管理会社様による確認や注意喚起が必要になることもあります。
ゴミ問題を減らすには、ご入居者様へ注意するだけでなく、「迷わず正しく捨てられる環境」をつくっておくことが大切です。
この記事では、ご入居者様がゴミを分別しないことで起こる問題と、管理会社様ができる9つの対策、分別されていないゴミを見つけた場合の対応について解説します。
【重要】マンションのご入居者様がゴミを分別しないと起こる3つの問題
ゴミの分別が守られない状態が続くと、ゴミ置き場だけの問題では済まないことがあります。
回収されないゴミが残れば、その確認や処理について管理会社様が対応する場面も増えます。さらに、ゴミ置き場の環境が悪化すると、ほかのご入居者様から苦情が入ることも考えられます。
まずは、ゴミの分別が守られないことで起こりやすい3つの問題を確認しておきましょう。
①資源の適切な回収や処理に影響する
ゴミが正しく分別されていないと、資源として回収できるものまで適切に処理されにくくなります。
家庭から出るゴミには、紙や缶、びん、ペットボトルなど、分別することで資源として回収できるものがあります。こうしたゴミが別の種類のゴミと混ざれば、本来の回収方法で処理できない場合があります。
また、ゴミの分別方法は自治体によって異なります。以前住んでいた地域と同じ感覚で捨ててしまい、結果的に分別を間違えているケースも考えられます。
そのため、物件所在地のルールに合わせて分別方法を案内しておくことが必要です。
②ゴミが回収されないことがある
分別方法や排出ルールが守られていないゴミは、回収されずに残ってしまうことがあります。
回収されなかったゴミをそのままにしておけば、ゴミ置き場のスペースを圧迫します。さらに、生ゴミなどが含まれていれば、臭いや害虫の原因になる可能性もあります。
ゴミが残るたびに「誰が出したのか」「どう対応するのか」を確認していては、管理会社様の手間も増えてしまいます。
回収されないゴミを減らすことは、ゴミ置き場の環境だけでなく、管理会社様の対応負担を減らすことにもつながります。
③ゴミ置き場の環境が悪化し、ご入居者様の不満につながる
ゴミ置き場の状態は、物件に対するご入居者様の印象にも影響します。
分別されていないゴミや回収されなかったゴミがいつまでも置かれていれば、「きちんと管理されていない」と感じるご入居者様もいるでしょう。
さらに、臭いやゴミの散乱が発生すれば、管理会社様への問い合わせや苦情につながる可能性もあります。
問題が大きくなってから対応するのではなく、普段からルールを伝え、ゴミ置き場を利用しやすい状態にしておくことが大切です。
マンション住民にゴミの分別を徹底してもらうための9つの対策
ゴミの分別対策では、違反が起きてから注意するだけでなく、そもそも間違えにくい環境をつくることが大切です。
たとえば、入居時にルールを伝える、ゴミ置き場の表示を分かりやすくする、日本語以外の案内を用意するといった方法があります。こうした対策であれば、大きな設備変更をしなくても始められます。
まずは取り組みやすい対策から始め、物件の状況を見ながら必要な方法を組み合わせていきましょう。
①ご入居時に分別ルールを案内する
最初に取り組みたいのが、入居時にゴミの分別ルールを伝えておくことです。
ゴミの分別方法や収集日は自治体によって異なるため、ご入居者様が以前住んでいた地域のルールとは違う場合があります。知らないまま入居すれば、本人に悪意がなくても間違った方法でゴミを出してしまうかもしれません。
入居時には、収集曜日だけでなく、「どこに出すのか」「何時までに出すのか」「粗大ゴミはどうするのか」までまとめて案内しておくと分かりやすくなります。
問題が起きてから注意するより、入居時にルールを伝えておくほうが、その後の行き違いを防ぎやすくなります。
②分別ルールを守っていないご入居者様を確認できた場合は個別に伝える
分別ルールを守っていないご入居者様を確認できた場合は、個別に正しいルールを伝える方法があります。
ただし、最初から強い口調で注意する必要はありません。収集日を勘違いしていた、分別方法を知らなかったなど、単純な認識違いが原因の場合もあるためです。
「このゴミは〇曜日です」「次回からはこちらへお願いします」のように、何を直してほしいのかを具体的に伝えると、ご入居者様も対応しやすくなります。
一方で、誰が出したものか確認できていない状態で、特定のご入居者様が捨てたと決めつけることは避けましょう。
事実を確認したうえで、注意することよりも「正しい出し方を伝える」という姿勢で対応することがポイントです。
③マンションの掲示板に注意文を掲載する
違反したご入居者様を特定できない場合は、物件全体へ向けた掲示が取り入れやすい方法です。
掲示板やエレベーターホールなど、普段からご入居者様の目に入りやすい場所へ注意文を掲載します。
このとき、「ゴミの分別を守ってください」だけでは、何を直せばよいのか分からないことがあります。たとえば「可燃ゴミは〇曜日」「ペットボトルはキャップを外して指定場所へ」など、実際に発生している問題に合わせて書くと伝わりやすくなります。
掲示したままにするのではなく、問題が改善したかを確認しながら内容を見直していきましょう。
④分別が必要な理由を具体的に説明する
分別方法だけでなく、「なぜ守る必要があるのか」まで伝えると、ご入居者様にも協力を求めやすくなります。
ルールだけを伝えられても、その必要性が分からなければ、注意書きを読み流してしまうことがあります。
たとえば、「正しく分別されていないと回収されない場合があります」「残されたゴミによって、ほかのご入居者様がゴミを置きにくくなります」といった形で、実際に起こる問題まで説明します。
掲示だけでは十分に伝わらない場合は、各住戸への書面投函などを組み合わせる方法もあります。
⑤自治体のルールや罰則を確認して案内する
罰則について案内する場合は、物件所在地の自治体が公表している内容を確認してから記載しましょう。
ゴミ出しに関するルールや違反時の対応は、自治体によって異なるためです。「分別しなければ罰金になる」と一律に書いてしまうと、実際の制度と異なる案内になる可能性があります。
注意文へ記載する場合は、自治体の公式サイトなどを確認し、その地域で定められている内容に沿って案内します。
罰則を強調することよりも、正確な情報を伝えることを優先しましょう。
⑥日本語以外の案内も用意する
外国籍のご入居者様がいる物件では、日本語以外でも分別ルールを確認できるようにしておくと安心です。
日本語だけで詳しい注意文を掲示しても、内容を理解できなければルールを守ることは難しくなります。
ご入居者様の状況に合わせた言語を用意するほか、ゴミの種類をイラストやピクトグラムで示す方法もあります。たとえば、「燃えるゴミ」「びん」「缶」などを文字とイラストの両方で示せば、ゴミを出す際に判断しやすくなります。
すべてを長文で翻訳するのではなく、収集曜日や置き場所など、実際のゴミ出しに必要な情報を分かりやすくまとめましょう。
⑦ゴミごとの置き場所が分かるようにする
ゴミ置き場では、どこに何を置けばよいのか一目で分かる状態にしておくことが大切です。
分別ルールを理解していても、ゴミ置き場の区分が分かりにくければ、間違った場所へ置いてしまうことがあります。
可燃ゴミ、不燃ゴミ、びん、缶、ペットボトルなど、物件所在地のルールに合わせて置き場所を明確にします。文字だけで分かりにくい場合は、色分けやイラストを使うのも一つの方法です。
ご入居者様がゴミを持ってきたときに迷わず判断できる表示を意識しましょう。
⑧ゴミ置き場を清潔に保つ
分別を促すうえでは、ゴミ置き場そのものを清潔に保つことも欠かせません。
ゴミが乱雑に置かれている状態では、正しい場所が分かりにくくなるだけでなく、「多少ルールを守らなくても問題ない」と感じられてしまうことがあります。
回収後にゴミが残っていないか、表示が剥がれていないか、分別スペースが崩れていないかなどを定期的に確認しましょう。
注意文を増やすだけでなく、ご入居者様が自然にルールを守りやすい状態を維持することも大切な対策です。
⑨必要に応じて防犯カメラの設置を検討する
掲示や個別案内を行っても同じ分別違反が繰り返される場合は、防犯カメラの設置を検討する方法もあります。
誰がゴミを出しているのか確認できなければ、個別にルールを伝えることが難しいためです。
ただし、防犯カメラは設置することだけを目的にせず、撮影する範囲や設置目的、録画映像を確認できる人などをあらかじめ整理しておきましょう。
映像をほかのご入居者様への注意喚起としてむやみに公開するのではなく、必要な範囲で適切に管理することが大切です。
分別していないゴミを見つけたときはどうする?
分別されていないゴミを見つけても、すぐに袋を開けたり、捨てた人を決めつけたりするのは避けましょう。
ゴミの中には個人情報や危険物が含まれている可能性があります。また、対応方法によっては、ご入居者様との別のトラブルにつながることもあります。
まずは状態を確認し、注意喚起や持ち帰りの案内など、段階を踏んで対応します。
①ゴミ袋を開けて分別し直さない
分別されていないゴミを見つけても、管理会社様や管理人様が袋を開けて分別し直すことは避けたほうがよいでしょう。
ゴミの中には、氏名や住所が分かる書類などが含まれている可能性があります。また、割れ物や刃物など、触れることでケガにつながる物が入っていることも考えられます。
さらに、管理側が毎回分別し直していると、「間違えて出しても管理側が直してくれる」という状態になりかねません。
管理側で処理することを前提にせず、ご入居者様自身が正しい方法で出せるよう案内することが大切です。
②状態を記録して注意喚起する
同じような分別違反が続く場合は、発生した状況を記録しておくと対応しやすくなります。
いつ、どのようなゴミが、どのような状態で出されていたのかを整理しておけば、掲示内容を具体的にできます。必要に応じて写真を残す方法もあります。
たとえば、「〇月〇日に可燃ゴミの収集日に不燃ゴミが出されていました。〇〇ゴミは△曜日に出してください」と案内すれば、ご入居者様も何を直せばよいのか分かります。
写真を掲示に使用する場合は、氏名や住所など、個人を特定できる情報が写っていないか確認してから使用しましょう。
③回収されなかったゴミは一時保管し、持ち帰りを案内する
回収されなかったゴミは、放置せず、物件の運用に合わせて対応方法を決めておきましょう。
そのまま残しておくとゴミ置き場が狭くなり、別のご入居者様がゴミを置きにくくなることがあります。
そのため、一時的な置き場所を決めたうえで、「回収されなかったため、出した方は一度お持ち帰りください」と掲示する方法があります。
ただし、エントランスや廊下など、本来ゴミを置く場所ではない共用部分へ移動すると、新たな苦情につながる可能性があります。
通行や衛生面にも配慮しながら、物件内であらかじめ対応方法を決めておくとスムーズです。
ゴミ問題が長引くと、管理会社様だけでは対応が難しいこともある
ゴミの分別ルールを分かりやすく伝え、ゴミ置き場を利用しやすい状態に整えることで、分別違反は防ぎやすくなります。
一方で、注意喚起を続けても改善されなかったり、ゴミの出し方をめぐってほかのご入居者様から苦情が入ったりすることもあります。
たとえば、「いつもルールを守らない人がいる」「ゴミ置き場の臭いや汚れが気になる」といった不満が続くと、単なるゴミ分別の問題ではなく、ご入居者様同士のトラブルへ発展する可能性があります。
こうした場合、管理会社様が双方から状況を聞き取り、注意や調整を繰り返さなければならないこともあります。
ゴミ問題がご入居者様同士のトラブルに発展した場合は、分別ルールの周知だけでなく、「誰が相談を受け、どこまで対応するのか」を整理しておくことも大切です。
ご入居者様同士のトラブルは、専門の相談窓口を活用する方法もある
ご入居者様同士のトラブルが長引くと、管理会社様の担当者が何度も状況確認や連絡を行う必要があり、通常の管理業務にも影響しやすくなります。
そのため、すべての相談を管理会社様だけで抱えるのではなく、トラブルが発生した際に相談できる外部窓口を設けておく方法もあります。
第三者の相談窓口があれば、ご入居者様が直接相談できるため、管理会社様がすべてのやり取りの間に入る必要を減らしやすくなります。
管理会社様だけですべてのトラブル対応を抱え込まず、内容に応じて専門の相談窓口へ切り分けられる体制を整えておくことも一つの方法です。
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日常的なゴミ出しルールの周知や物件管理は管理会社様で行い、ご入居者様同士の問題へ発展した場合は、専門の相談窓口へ相談できるようにしておくことで、管理会社様の対応負担を減らしやすくなります。
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